ジョギングやLSDなど、いつも同じペースで走っていたりしませんか?
フルマラソンを走りきるためには、たしかに土台となるジョギングやLSDというトレーニングは欠かせないモノです。
しかし、それだけではどこかで頭打ちになってしまったり、成長速度も低下して効率の悪いトレーニングとなってしまいます。
そこで今回ご紹介したいのが「ビルドアップ走」です。
「ビルドアップ走」とは
あらかじめ距離(または時間)を設定して、スタートはゆっくりしたペースで走り始め、少しずつペースを上げていき終盤はレースペースより速く走るトレーニング
このトレーニングをおこなうことで、
①スピード強化
②心肺機能強化
③持久力強化
3つの効果を得ることができます。
決して難しいトレーニングではないですし、特に時間の限られた市民ランナーにオススメの練習方法です!
この記事を読んでいただいてからチャレンジしてみてください(^^)
ビルドアップ走について
冒頭でもお伝えしましたが、ビルドアップ走はスタートをゆっくりしたペースで走り始めてから、
少しずつペースを上げて走るトレーニングです。
終盤はレースペースより速く走ることにより、スピード練習にもなります。
サブ5(フル5時間切り)が目標の場合
・レースペース7分06秒/kmを基準に10㎞のビルドアップ走
最初の3㎞を7分20秒/km
次の2㎞を7分12~15秒/km
次の3㎞を7分06~10秒/km
ラスト2㎞を7分00秒/km以内
上記のように、前半余裕のあるペースで走って後半ジワジワペースを上げていくのがビルドアップ走です。
時短トレに最適
ビルドアップ走は時間の限られた市民ランナーにとてもオススメです。
30分程度の練習時間しかなくても、このビルドアップ走で呼吸も追い込むことができるので、
ゆっくり走るだけのトレーニングよりも効率よく走力アップすることができます!
ビルドアップ走で得られる3つの強化ポイント
次に、ビルドアップ走をおこなうことによって得られる3つのポイントをそれぞれ解説していきます。
①スピード強化
②心肺機能強化
③持久力強化
インターバル走やペース走なども、上記のような強化を得ることができますが、
3つ全てを強化するという意味では、このビルドアップ走が1番効率良く強化できます!
①スピード強化
特に初心者の方や筆者のように陸上経験の無いランナーは「スピード練習」というと不思議なくらい?
「抵抗」を感じる方が多いです。
ビルドアップ走でスピード強化といっても、バタバタ倒れるまで追い込むようなトレーニングではありません。
少しホッとしましたか?笑
ここでいうスピード強化は、レースペースよりも速く走ることで普段よりもペースを上げて走れるようになるという意味合いです。
上級者向けのような感じで受け止められているかもしれませんが、初心者ランナーでも十分取り組めます。
②心肺機能強化
初心者であればジョギングでも多少の心肺機能は強化されます。
しかし、それだけでは非効率です。
ビルドアップ走で、徐々にペースを上げることで呼吸(心拍数)が上がっていくことで、
心肺機能がしっかりと鍛えれます。
ただし、例えば10㎞のビルドアップ走で前半5㎞をレースペースよりも遅いペースで走った場合、
実際に心肺機能が鍛えられるのはレースペース以上で走る後半の部分になるので、
スタートからずっと心肺機能が鍛えられるということは無いので、その認識は持っていてください。
③持久力強化
ビルドアップ走自体は、徐々にスピードを上げていくトレーニングですが、
一定の距離を走ることになるので持久力もしっかり鍛えられます。
一定のスピードを維持して走るための持久力(スピード持久力)が鍛えれるため、
特に42.195㎞という距離において必要な要素を得ることができます。
(参考)設定ペースの考え方
次にビルドアップ走の設定ペースについて、初心者~上級者向けそれぞれ解説していきます。
※設定ペースは参考にしていただいて、ご自身の経験や当日の体感などを照らし合わせて調整してください。
※距離は10㎞と想定しています。
※緑文字が低負荷、赤文字が高負荷
初心者向け サブ5(フルマラソン5時間以内)
サブ5は1㎞あたりのペースが7分06秒
最初の3㎞→7分20秒/km
次の2㎞→7分12~15秒/km
次の3㎞→7分06~10秒/km
ラスト2㎞→7分00秒/km以内
中級者向け サブ4(フルマラソン4時間以内)
サブ4は1㎞あたりのペースが5分40秒
最初の2㎞→5分50秒/km
次の2㎞→5分40秒/km
次の2㎞→5分30秒/km
次の2㎞→5分20秒/km
ラスト2㎞→5分10/km以内
上級者向け サブ3(フルマラソン3時間以内)
サブ3は1㎞あたりのペースが4分15秒
最初の2㎞→4分25秒/km
次の2㎞→4分15秒/km
次の2㎞→4分05秒/km
次の2㎞→3分55秒/km
ラスト2㎞→3分50秒/km以内
サブ3~4を目指す方は、ロング走+ビルドアップ
上記は10㎞のビルドアップのやり方について解説してきました。
ここでは、20㎞~40㎞のいわゆる距離(ロング)走と言われる長い距離を走る練習において、
同じようにビルドアップしていく方法をお伝えします。
サブ4(フル4時間切り)が目標の場合
・レースペース5分40秒/kmを基準に30㎞のビルドアップ走
最初の10㎞ 6分00~10秒/km
11~20㎞ 5分50~55秒/km
21~25㎞ 5分40~45秒/km
26~28㎞ 5分35秒/km
29~30㎞ 全力!
かなり強度が高くなるので、初心者ランナーの方には正直向いていません。
もちろんチャレンジをするのは結構ですが、ある程度の脚作りが出来ていないとケガのリスクしかありません。
挑戦する場合は、しっかりと走り込みをおこないましょう。
筆者はこのトレーニングを取り入れてから、レース後半でもペースが落ちることが大きく減り、
最後まで走りきることが出来るようになりました!
めちゃめちゃオススメです(^^)
ネガティブスプリットとという走り方ですね。
ビルドアップ走のポイント(=気をつけたい点)
ビルドアップ走は序盤に関しては負荷が軽いトレーニングですが、徐々に強度が高くなっていきます。
そこでいくつかのポイントをご紹介していきます。
・無理にペースを上げるのではなく、呼吸や体の状態に合わせて自然にペースを上げていくのが理想
・最後の2~3㎞はしっかり呼吸を追い込むこと
・ペースが上がっていくことで、呼吸が乱れるため体調が悪い時はムリをしない
・1㎞あたりを一気に15秒以上速く走ると呼吸が追いつかないので、ペースアップ時は出来るだけ10秒以内にする
例:1㎞ 5分50秒→2㎞ 5分30秒 (一気に20秒/km速くなると呼吸も体もきつくなる)
まとめ
ビルドアップ走で得られる、
①スピード強化
②心肺機能強化
③持久力強化
これらを意識して、よりラクに走れるよう走っていきましょう!
忙しいからこそ、より効率よく走力をアップさせていくためにもこのビルドアップ走は
市民ランナーにオススメの練習方法です。
サブ4以内を目指す方は、距離走+ビルドアップ走でさらなる高みを目指しましょう(^^)