ペース走とは、あらかじめ設定した距離を一定のペースで走るトレーニングです。
ハーフマラソンやフルマラソンを走る場合、ペースをしっかり守って走らないと後半にペースダウンしてしまいます。
ペース走をすることによって得られるモノ
①自分のペースを把握できる(ペース感覚がみにつく)
②目標のレースペースより少し速く走ることで心肺機能が高まって走力UP
③一定のペースで走れるようになる(スピード持久力の向上)
タイムが速い人ほどしっかりとペースを守って走っています。
大抵の初心者ランナーやサブ5あたりのランナーは、ペースを守るというよりは
「このくらいで行けるかな?」という感覚の部分で走っている方が多く見受けられます。
しっかり完走や目標タイムをクリアしたいのであれば、このペース走は絶対に欠かせないトレーニングです!
では、解説していきますね!
ペース走とは
ペース走は、一定の距離をあらかじめ設定したペースで走り通すトレーニングです。
1㎞を5分で走りたいと思っても、5分で走る感覚を知らずにいきなりレースで実践するというのは
自爆行為に近いものがあります。
という筆者も、初レースは感覚に任せて走った結果、
しっかりと後半ペースダウンしてさらに膝を痛めた経験があります(笑)
読者のあなたには、こんな思いをしてほしくありません。
ペース走で得られる3つの効果
ペース走を取り入れることで、レースに役立つ3つの効果があります。
①自分のペースを把握できるようになる(ペース感覚が身につく)
②目標のレースペースより少し速く走ることで心肺機能が高まって走力UP
③一定のペースで走れるようになる(スピード持久力の向上)
1つずつご紹介していきますね。
①自分のペースを把握できるようになる
これ、すごく重要なことなんです。
ペースを知らないでレースを走るというのは、道も分からずにひたすら前に突き進むのと同じです。
たまたまうまく切り抜けることが出来るかもしれませんが、その可能性は極めて低いでしょう。
切り抜けられた場合は、マグレか余裕のあるペースだったということでしょう。
そんなリスクを抱えるよりも、ペース走でしっかりと自分のペースを覚えましょう!
何度も反復していくことでしっかりとしたペース感覚が身につきます。
②心肺機能の強化
ペース走は、レースペース前後のペースで取り組むことが多いため、
心肺機能にも刺激が入ります。
その際にLT値(無酸素性作業閾値)という難しい言葉があるのですが、
カンタンにいうと「乳酸が溜まりはじめるポイント」のことです。
強度が高くなればなるほどこのLT値を早く迎えることになり、長時間の運動が難しくなります。
LT値の幅を広げていくことで、疲れにくい走りが手に入ります。
ランナー界では、「ランニングエコノミーの向上」と呼ばれています。
要は、ランニングにおいて経済的な走りが出来るということです。
③スピード持久力の強化
②の話と似てきますが、一定のスピードを出して走るトレーニングをおこなうことで、
そのスピードを維持するための持久力が強化されます。
JOGやLSDは持久力が高まりますが、決してペースが速いとは言えず、
スピードを上げてそれを維持するための持久力は養われません。
フルマラソンのような長丁場のレースにこのスピード持久力は重要な要素となります。
ペース走の取り組み方
では、ペース走を具体的にどう取り組んでいくのかを解説していきます。
ペース走は週1回または2週に1回取り組みましょう。
①全力を出し切らない
え?頑張らなくていいの?と思われるかもしれませんが、ペース走は力を出し切るトレーニングではありません。
多少の余力を残して終えるのが理想的なトレーニングです。
この練習を繰り返していくうちに、心肺や脚に少しずつ余裕がうまれたら、
ワンステップ上のペースを設定して取り組みましょう。
ポイントは、遅すぎず速すぎないペースで走ることです!
・出し切らない
・余力を残して終える
・余裕が出てきたら、次回少しペースを上げてみる
・毎回、遅すぎず速すぎないペースで取り組む
②設定ペースは、目標のレースペースを基準に考える
ペース走の設定ペースは、どうやって決めるの?
という疑問があると思います。
やったこともない方なら特にそうですね。
結論から言えば、まずあなたの目標とするレースペースを決めましょう。
決めたらそのレースペースで一定の距離を走ってみましょう。
初心者なら2~3㎞でOK。体力に自信のある方は5~10㎞走ってみてください。
・余裕がありすぎたら、設定ペースを上げるか距離を伸ばしてみる
・余裕がなければペースを下げる
こればかりは走ってみなければ分かりません。
・目標のレースペースを決める
・1度そのペースで走ってみる
・初心者→2~3㎞ 体力に自信ある場合→5~10㎞
・余裕がありすぎたら、設定ペースを上げるか距離を伸ばしてみる
・余裕がなければペースを下げる
③フラット(平坦)なコースで走る
ペースにバラつきが出やすいので、特に初心者ランナーの場合はフラット(平坦)コースで走りましょう。
アップダウンがあるとダメというわけではありませんが、ペース感覚が掴みにくいためオススメできません。
そういったコースは、走力がついてからでも全然OKです。
・ペースにバラつきが出ないよう、フラットなコースを走る
・アップダウンのあるところは、ペース感覚がしっかりと身についてからでOK
レベル別のペース走を解説
次に、レベル別の参考ペースをお伝えしていきます。
【参考表】
目標ゴールタイム | レースペース(1km) |
---|---|
3時間00分 | 4分15秒 |
3時間30分 | 4分58秒 |
4時間00分 | 5分40秒 |
4時間30分 | 6分23秒 |
5時間00分 | 7分06秒 |
上記表のペースで走れれば、目標タイムを切ることができます。
まずは、10~20㎞をこのペースを余裕持って走りきることが最低限の目標です。
自信を高める意味でもレースペースよりも1㎞あたり5~15秒速いペースで走るのも1つの方法です。
例)レースペースが7分06秒/kmの場合→6分51秒~7分01秒/kmでペース走をおこなう
どのペースにしても、10~20㎞程度で疲労を感じるようであれば、まだ目標が高すぎると言えます。
そういった場合は、設定ペースを下げたり距離を短くして取り組みましょう。
ペース走の設定距離
ペース走の設定距離に正解不正解はありませんが、それでは参考にならないので、
筆者が走力を高められた経験を元にお話していきます。
初心者~サブ5向け
8~12㎞→レースペースよりも1㎞あたり5~15秒/km速いペース
サブ3~サブ4向け
①8~12㎞→レースペースよりも1㎞あたり5~15秒/km速いペース
②16~20㎞→レースペースまたは1㎞あたり5~10秒/km速いペース
距離が短い場合は、少しペースを上げるのが基本的な考えです。
少し距離が伸びた場合は、さほどペースを上げずともしっかり最後まで走り通すことが大切です。
まとめ
ペース走をしっかりと取り組むことで、走歴が浅いランナーほど走力が飛躍的に伸びる練習です。
一定したペースで走りきる力をつけるのと同時に、ペース感覚をしっかりと身につけておけば、
レースでもオーバーペースを防ぐことができます。
効率の良いランニングをするためにも、ペースを知ることはとても大切です!
特にレースに出場することを目標とされる方は、何度も繰り返し走ってみて、
自信をつけていきましょう(^^)