腰痛は、ランナーズのランナー調査2017で2番目に多い故障の悩みでした。
現在より3年前の調査ですが、変わらず多い悩みであることは間違いないでしょう。
私も疲労が重なってくると腰痛が起きやすいです。
この記事では、実際に私が腰痛を発症してしまった時に、練習を休まずにどういった対策をしているのかをお伝えします。
結論:体幹を鍛えるよりも¨使える¨ようにしましょう
腰を痛めると「腹筋や背筋をして体幹を鍛えましょう」というフレーズをよく耳にしますが、果たしてそれだけで改善するのでしょうか。
体幹とは、腕や足を除いた、お腹~背中~臀部の部位を表しています。
もちろん、鍛えるのが悪いわけではありません。
体幹を鍛えても実際にうまく働かせることが出来ていなければ、単に疲労が蓄積してしまって動きに制限がかかってきます。
腰痛のメカニズム
ほとんどの腰痛は原因が特定されません。
特定されるのは、腰椎の圧迫骨折や脊柱管狭窄症など、全体の10~15%くらいだと言われています。
姿勢や不眠、ストレスなど様々な要因で腰痛を発症するケースも見受けられますが、何が原因か特定するのは大変難しいのです。
ランナーに起こりやすい腰痛の主な症状
ここからはランナーに多い障害を解説していきます。
筋筋膜性腰痛症(きんきんまくせいようつうしょう)
痛みの主な特徴は、腰全体が重だるい感覚からはじまり、悪化していくと痛みも伴ってきます。
私も疲労が溜まってくると症状が出やすく厄介です。
練習量の増加で体を酷使したり、仕事(主にデスクワーク)や普段の姿勢によっても負荷がかかってくるので注意が必要です。
腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニア
腰の骨と骨の間にあるクッション(椎間板)が何らかの理由で飛び出し、神経を圧迫することで足に痛みやしびれを感じる症状です。
腰には5つの骨(腰椎といいます)があり、発症しやすい部位は、腰椎4番目+腰椎5番目の間、そして腰椎5番目+その下にある仙骨との間といわれています。
20代~40代の男性が比較的多く発症されています。
50代以上になると脊柱管狭窄症(中高年に多く発症)という症状の疑いも考えられます。
ランニングによって筋肉のこわばりが起こることで、腰や臀部、下半身に痛みを感じます。
その他にもデスクワークや長距離運転など、長く座っている時間が多い方も発症しやすいです。
上記が坐骨神経痛と呼ばれる症状の1つです(坐骨神経痛については次に説明しています)。
坐骨神経痛
坐骨神経痛という言葉をお聞きになったことがある方もいらっしゃると思いますが、基本的に病名ではなく症状として取り扱われています。
坐骨神経はカラダの中で1番太くて長い神経です。
腰椎椎間板ヘルニアが主な原因に多く、その他には脊柱管狭窄症、梨状筋症候群が原因となるケースもあります。
痛みを感じる箇所は、お尻や太ももの裏、膝裏、ふくらはぎ、足先です。
心当たりのある方は整形外科で診てもらうことをオススメします。
腰椎分離症
分離症は、ひねる動作の連続や股関節の硬さなどによって引き起こされます。10~15歳前後の男児に多くみられる症状です。
まだ骨がしっかりと成長していない時期に、動かし続けることで椎弓と呼ばれる骨の一部に亀裂が入ります。そのまま負荷をかけ続けた末に分離してしまうのです。
腰痛を改善するための運動療法
では、実際に腰痛を改善するために、私が実践している運動をご紹介します。
足ブラブラ運動
画像準備中
①うつぶせになり、両膝を90度に曲げて両腕を外側に持っていき、両手を向かい合わせます。
②上体(胸)を少し反らして、地面へ向かって左右に足を倒していきます。
③左右を20~30回×2~3セットやりましょう。
体幹、股関節の連動が生まれて、背中がスッキリします。
腰痛時にオススメのツボ
鍼灸師の私がオススメする、腰痛時のツボをご紹介します。
せんねん灸で温めたり、ツボを10~15秒×3セットを手で軽く押してみましょう。あまり強く押しすぎると返って痛めることもあるので、気を付けてください。
委中
東洋医学の用語で「腰背は委中に求む」という言葉があり、腰や背中に対するアプローチに欠かせないツボと言われています。
赤い●が委中です
位置
膝裏を曲げた時に出来る横紋(シワがあるところ)の中央部分にあります。
腰腿点
手の甲にある腰痛を改善するツボです。
赤い●が腰腿点です
位置
手の甲側にある薬指と小指の間、人差し指と中指の間をそれぞれなぞっていくと、骨の接合部分がツボになります。反対側にも同じ場所にツボがあるので、軽く押さえてみましょう。
補足
痛くて動くのが辛い場合は、出来るだけ早めに病院へ行き、レントゲンやMRIなどの検査および診断を受けられることをオススメします。
そうしなければ、不安を感じたまま過ごすことになり、余計なストレスになるからです。
診断結果によって、今後の対策を立てるのが復帰に向けて最短の道となります。
また、転倒など外傷によって腰に痛みを感じた場合も、すぐ病院へ行って検査してもらいましょう。骨折などの場合は、動かさずに安静が必須です。
まとめ
腰は上半身と下半身を繋いでいる重要な部位です。
痛めないように、再発しないように体幹トレーニングをすることも大切です。
さらに大切なことは、せっかく鍛えた体幹を上手に使えるようにすることで、腰痛に苦しまない生活を手に入れることです。
他の痛みでも同じことが言えますが、痛み=休養という選択肢は最後に取っておいて、可能な限りトレーニングを継続していきましょう。
もちろん、何も対策せずに走りながら治していくのは難しいので、信頼できる先生に相談してみてくださいね。