痛み・ケア

ランニングで足首、アキレス腱、足底が痛む時の対処方と運動療法

足の末端に近づくほど筋肉が少なく、血流がうまく回らず回復に時間を要します。

この記事では、ランニング時において足首・アキレス腱・足底の痛みを感じた際の
対処法と運動療法をご紹介しています。

結論:¨足裏全体¨で接地する動きを手に入れよう!

タイトルにある痛みの主な原因は、過度のストレスがかかり続けることによって発症します。

要するにオーバーワーク(使いすぎ)です。

そして、これらの痛みは着地時にしっかりと地面を捉えられず、バランスの良くない形で接地してしまうことで、痛みが出る部分に負荷がかかって故障に繋がります。

代表的なケガの種類

では、主にどういった症状のケガがあるのか見ていきましょう。

①足関節外側靱帯損傷

②変形性足関節症

③アキレス腱炎、アキレス腱周囲炎

④足底筋膜炎

①足関節外側靱帯損傷

ランニング中に捻挫(ねんざ)をして、大体2週間程度経過しても、外側のくるぶしに痛みを感じる場合は、足関節外側靱帯損傷の疑いが考えれます。

このケガは、捻挫を繰り返した後、何も処置せず放置することによって靱帯が緩んだり部分断裂を起こしている可能性があります。

1番多いのは前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)という箇所のケガです。

どんな人に起こりやすいのか?

・O脚

・脚力不足、筋力低下

・ハイヒールを履く機会の多い方

こういった方々に起こりやすいです。

痛みの原因として考えられること

・トレイルなど不整地でのランニング時

・柔軟性が不足している(足関節)

・捻挫した際の初期における処置が遅かったとき

ランニングはしても良いのか?

軽い痛みであれば走ってもOKです。

②変形性足関節症

足首に強い痛みがあり、しゃがみこんだり正座が出来ない状態の時は、変形性足関節症の疑いが考えられます。

これは、足関節の軟骨がすり減って痛みが強くなっていきます。

関節の腫れや水が溜まるなどの症状がある時は要注意です。

どんな人に起こりやすいのか?

・中高年ランナー

・以前に足首のケガを負っている方など

痛みの原因として考えられること

・老化

・柔軟性が不足している(足関節)

・過去に骨折や捻挫などの外傷を負った方

ランニングはしても良いのか?

まずは1度整形外科を受診されることをオススメします。

軽傷であれば走っても問題無いです。

③アキレス腱炎、アキレス腱周囲炎

アキレス腱はふくらはぎの下腿三頭筋(かたいさんとうきん)と言われる、腓腹筋(ひふくきん)・ヒラメ筋・前脛骨筋(ぜんけいけいこつきん)と踵骨(しょうこつ=かかとの骨)を繋いでいる腱です。

アキレス腱炎は、アキレス腱そのものに炎症が起こり、アキレス腱周囲炎はアキレス腱の周りにある筋肉などに炎症が起こることです。

上記2症状は、アキレス腱断裂やふくらはぎの肉離れを起こすことがあるので、軽視してはなりません。

どんな人に起こりやすいのか?

・オーバープロネーション(かかとが内側へ過度に倒れこむ)

・不整地をたくさん走る方

・肥満気味の方

痛みの原因と考えられること

・トレイルなど不整地でのランニング時

・足の柔軟性が不足している

・すり減ったシューズを履き続けている

・着地時に上体が反っている

ランニングはしても良いのか?

軽い痛みであれば走ってもOKです。

④足底筋膜炎

朝など起床時に足の裏が痛くて、足をしっかり着けない。

上記の症状は足底筋膜炎が疑われます。

足底筋膜は、かかとの骨と足の指の付け根をつなぐ組織で、足のアーチを支えています。

どんな人に起こりやすいのか?

・偏平足やアーチが高い

・以前、膝を痛めていた

・肥満気味

・初心者や練習からしばらく遠ざかっていた方や急に練習量が増えた方

痛みの原因と考えられること

・オーバーワーク(練習のやりすぎ、または実力以上の負荷をかけすぎ)

・ふくらはぎなどの柔軟性が不足している

・しっかりと足裏で接地できていない

ランニングはしても良いのか?

軽い痛みであれば走ってもOKです。

焦らず徐々に距離を伸ばしていきましょう。

足裏全体で接地するための運動療法

これまでご紹介してきた上記4つの症状に限らず、足部の痛みに関しては、痛む箇所をどうこう動かす必要はありません。

これからご紹介する運動療法を取り入れることで、痛みの感じにくい動作を掴むことができます。

・カンガルー

基本姿位

   

 

 

 

 

①足の幅は握り拳が2つ入るくらいまで広げる

②両手をお尻に当てる


①顔と胸を斜め上に

②お尻を後ろへ引く

③足裏全体で接地していること

①胸の位置が前に来る

②お尻を引いた時に拳1個分のスペースを作る(黄色で囲っているところ)

③指先も踵(かかと)も浮いていない

正しいポジションを取れれば、足元への負担は激減します!

 

 

①胸の位置が膝のラインと近いため、重心が後ろにかかって重心位置が後ろになっている

②足先が浮いている→足裏全体で接地できず、重心が後ろに傾く

 

 

回復を早めるオススメのツボ

鍼灸師の私がオススメする、足部周囲のツボをご紹介します。

せんねん灸で温めたり、ツボを10~15秒×3セットを手で軽く押してみましょう。

あまり強く押しすぎると返って痛めることもあるので、気を付けてください。

また、安静時でも痛みを感じる時は炎症反応がみられるので、お灸はしないでください。炎症があるところに熱が加わると痛みが増します。

三陰交(さんいんこう)

ふくらはぎの筋肉にあるツボです。

今回ご紹介した症状の他に、婦人科系の疾患(ex.生理異常、不妊症、月経不順など)にも用いられます。

位置

内くるぶしから上に指4本分で、骨の後ろ側に陥凹がみられます(特に女性はわかりやすいです)

補足

歩行時でも痛かったりする場合は、出来るだけ早めに病院へ行き、レントゲンやMRIなどの検査および診断を受けられることをオススメします。そうしなければ、不安を感じたまま過ごすことになり、余計なストレスになるからです。

骨折などの場合は、動かさずに安静が必須です

まとめ

多少の痛みがあっても走れるので、しっかりとケアをしていれば割と早く練習に復帰できます。

ぜひ今回ご紹介した運動やお灸を実践して、快適なランニングを楽しみましょう。

痛み=休養という選択肢は最後に取っておいて、可能な限りトレーニングを継続していきましょう。

もちろん、何も対策せずに走りながら治していくのは難しいので、信頼できる先生に相談してみてくださいね。

ABOUT ME
おしん
妻より遅くなった元福岡国際ランナーです(笑)自己ベストは2時間31分台。 2021年現在、37歳、1児の父。 高校まで野球部。その後、独学でマラソンに取り組む。いわゆる市民ランナー。 当ブログでは、初心者ランナーをメインに、これまで自分が培ってきたランニングのノウハウ、鍼灸師として痛みやケアについての解説を書いています。 千歳市のRunupという小さなランニングスタジオのマネージャー。